グッドデザイン賞について多くの人が誤解していること
グッドデザイン賞(通称Gマーク)を知っていますか?あの商品にもこの商品にもその建物にも「グッドデザイン賞受賞^^」って書いてありますよね。しかし、そこにはきちんと理由があるのです。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞のサイトからの引用はこちら。
グッドデザイン賞とは グッドデザイン賞とは グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
そもそもグッドデザイン賞とは何か。それにはまず、日本の産業の歴史を遡る必要があります。
戦後の日本が作る工業製品には欧米のデザインを丸パクリするデザイン盗作問題がはびこっていました。少し昔の中国製品のようなイメージなのですが、パクられた欧米諸国は当然腹を立て外交問題にまで発展してしまいました。頭を抱えた日本政府は、この製品は「日本オリジナルです」という品質保証の制度としてグッドデザイン賞の前身である「グッドデザイン商品選定制度」を設立しました。
ちなみに、この制度のお手本となっている賞はおそらくこの2つ。
ドイツのRed Dot Design Award (Red Dot Design Award: Home)と、IF DESIGN AWARD
iF DESIGN AWARD & WORLD DESIGN GUIDE - iF WORLD DESIGN GUIDE
このような理由で、今でもグッドデザイン賞の本質は品質保証であると私は解釈しています。これが多くの商品や建物・プロダクト・サービスなどがグッドデザイン賞を受賞している理由です。
例えば、2016年度のグッドデザイン賞を詳しく見てみましょう。
受賞件数1,229件(受賞企業818件)
審査対象数 4,085 件
受賞作品は応募作品の約1/4である30%。
(ちなみによく一緒にされるモンドセレクションは受賞率80%でした笑)
これだけの受賞率があるとバクチやコンペではないので、やはり品質保証の賞であると言えると思います。もちろん時代とともにその"品質"も変わるので審査基準も当然ある程度変化していきます。 昔のグッドデザイン賞は有形物(主にリアルなプロダクト・建物・ビジュアルなど)に対して与えられることが多かったようですが、近年では有形物に加え無形物(サービス・ビジネスモデル・取り組み)にまで受賞の枠を広げています。
グッドデザイン賞はベスト100を見るのがオススメ
さて、ここでグッドデザイン賞の楽しみ方ですが個人的に注目すべきはやはりベスト100だと思います。ベスト100とは、2016年度グッドデザイン賞受賞対象の中で、審査委員会により特に高い評価を得た100件です。
グッドデザイン・ベスト100 | 2016年度グッドデザイン賞受賞概要 | 過去受賞や年鑑など | Good Design Award
グッドデザイン賞の審査は著名なデザイナーや大学教授など各分野の専門家の厳正な審査によって行われています。一次審査を突破し、二次審査に残ったものの中からベスト100や大賞候補が選ばれています。
つまり、普通のグッドデザイン賞受賞は(ただの) 品質保証されたモノ・コトにすぎませんが、ベスト100は選ばれしモノ・コトです。選ばれる理由が存在します、当然クオリティも段違い。
グッドデザイン賞の展示会も広い会場でも、ほぼすべての商品が展示されますが、もしデザインの勉強のために行くのであれば、正直ベスト100会場だけででも十分という気がします。
グッドデザイン賞について覚えておいてほしいこと
まとめです。
グッドデザイン賞=品質保証
グッドデザイン賞ベスト100=選ばれし受賞作品
グッドデザイン賞が戦後の日本の産業の品質保証として立ち上げられ、今でもその本質が受け継がれているという話でした。
以上です。
日本のインダストリアルデザインの重鎮である青木先生が書いていらっしゃる本。グッドデザイン賞に大きく関わっている先生。
(本当はグッドデザイン賞を応募するための金額がが中小企業にとって安い値段ではない為にそもそも応募できない話とか、アピールとして使うために大企業が大量に応募している話とか、どうして都内のマンションが多く応募してしているのかとかそういう話も書きたかった。)
「Björk Digital ―音楽のVR・18日間の実験」に行ってみた
日本科学未来館でおこなれている、「Björk Digital ―音楽のVR・18日間の実験」という展示。チケット予約をしてVR上映を見てきたので感想。
VR上映で観れる作品は以下の3作品
Stonemilker
mouth mantra
NotGet
以下感想。
Stonemilker, mouse mantra
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- この商品を含むブログ (4件) を見る
gearVRはじめて使ったのですが、ディスプレイがスマホな割にはわりとまとも。ただ、両作品とも動画を垂れ流しにしているだけ。
stonemikerは、少し古い映画みたいにローな画質。ビョークが自分の周りをくるくる回りながら歌う、分裂、本当に私だけに向かって彼女が周りながら歌っている感じがよかった。でも音質はやっぱりスマホからなのでちょっとチープ。
(あと、youtubeで360度verがアップロードされているので、正直家でも観れるのでは…)
でもこのデバイスのスペックで、これだけのストーリー性を持たせることができるという点では作品自体がよくできているのだなと思う。
mouth mantraはjesse kandaの作品っぽいな〜と思ったらまさに彼の作品だった!彼の作品好きなんだけど、3Dのグラフィックを2Dのグラフィックにかっこよく落とし込んでいるものなので、それをさらにVRで3Dに戻しても正直残念、ただ3dで2dの映像をミラーリングしてるみたいな映像だった。 stonemikerみたいに初めから3Dグラフィック用に作った映像のほうがやっぱりVR映像映えはするのではないかと感じた。jesse kandaのVR作品、今後に期待。(というかそもそも3Dにする段階で本人が関わっていたのか不明)
NotGet
使用デバイス: HTC Vive
今回の3つのなかで一番よかったのがこれ。2台のカメラを使って使用者の動きをトレッキングし、映像内を動き回ることができる。もともとこのViveを使うように作られたと思われるこの映像はクオリティも高かった。サーキュレーターで常時冷やしながらハイスペックPCを使っているので、gearVRなんて比じゃない。映像の製作者はWarren du Prees and Nick Thornton Jones。発光するbjörkの体を正面から見たり体の中に入ったり好き放題できる。
まとめ
2500円という少々割高な値段ですが、björkがすきなら行く価値はあります。彼女の歌と作品と、彼女が想像する未来の音楽を体験できる展示は18日まで。当日券はすぐに売り切れるそうなので、予約していったほうが吉。
物の体験価値
先日友人逹とご飯を食べていたときに、ひとりの友人がこんなことを言っていた。
「最近は、物を買うことよりも体験にお金をかけることにしている。やっぱり、価値があるのは物よりも体験だよね。」
ここで私は声を大にして主張したい。(というか、実際に主張した。)物の購入も体験の一つであるのだ。物の価値は、物そのものの寿命ではない。
ワンピースの購入を例の一つとしてに挙げてみよう。
1.ワンピースを買いたいと思う。
2.zozotownや雑誌で今欲しいものを探す。
3.実際のお店何店舗かに行って試着している。
4.気に入ったワンピースを購入する。
5.ワンピースをきてお出かけ。
これは私の場合だが、ざっとこんな感じ。ワンピースを一着購入するだけでも、物の購入前→物の購入中→物の購入後というだいたい3フェーズに分けることができる。(これは、サービスデザインのユーザージャーニーマップでよく使うわれる、pre-service, service, post-serviceという概念にあたる。)
一着のワンピースの価値とは、物としてのワンピースの価値(生地料、デザイン料、値段など)だけではなく、購入フロー全てを含む。こんなワンピースが欲しいな、このワンピースを着てデートしたいな、ワンピースを買いに出かけたついでにケーキでも食べちゃおう、全部が体験価値となる。
つまり、
物の価値=物そのものの価値+物を購入する前の体験価値+物を購入する際の体験価値+物を購入した後の体験価値
である。そして、"物を消費する"ことは、物が文字通り使えなくなるまでに使うことではなく、その価値が消費された瞬間にある。
モノの消費とコトの消費は別で語られることがあるが、実はそんなに変わらないよっていう話でした。
Kindleの50%OFFセールで販売されている、デザイナーにオススメの関連本3選
kindle本50%OFFセールだよ〜〜散財、ということで、デザイナーにおすすめ本を紹介します。私が工業デザイン周りを学んでいる関係でどちらかというと上流寄りのデザイン本に偏りますが、他ジャンルデザイナーの方や、デザインを勉強している方にとっても面白いであろう有名本を3冊選びました。
私は全て定価で購入したのでちょっと損した気分。
クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
- 作者: デイヴィッド・ケリー,トム・ケリー,千葉敏生
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/06/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (7件) を見る
人は誰でもクリエイティブ!
泣く子も黙る有名デザインファーム「IDEO」、スタンフォード大学「d-school」のデビッドケリーとトムケリーの兄弟の著書。自信を持つことで、誰もがクリエイティブになれる。クリエイティブに自信を持つために、恐怖に打ち勝ち行動することが一番大切なんです。どんなジャンルのデザイナーにも、また非デザイナーにもオススメな本。
デザイン戦略についてのマスト本
世界的なクリエイティブデザイン・ファーム「フロッグデザイン」(frog design)の創始者、ハルトムット・エスリンガーによる、いわゆる"デザイン戦略"についての著書。フロッグデザインはインダストリアルデザインベースのデザインコンサルファーム。ハルトムットがのインダストリアルデザイナーとして働いた自身の経験を基に、デザイン主導のイノベーションについて語られている。上流・戦略系のデザインの知識を得たい方へ。
デザインマネジメントの一大勢力
東芝デザインセンター出身で、現在は株式会社MTDO incを経営する傍ら、慶應大学KMDや東京造形大学で教鞭をとっている田子學先生の著作。工業デザイナーとしてデザインしながらディレクションをされていて、デザインはこうあるべき!という姿勢を本の中で示しています。デザインの一連のデザインマネジメントの本としては初心者向けの読みやすい入門本だと思います。デザインという言葉自体が曖昧だから仕方のないのですが、デザインマネジメントという言葉の定義はすごく曖昧です。現在日本ではデザインマネジメントの主流は大まかに分けて3つくらいありますが、田子先生の勢力はそのうちの1つです。今後このブログで他の主流とか違いとか紹介していけたらな〜。これからインハウスのデザイナーになる方、なりたい方、デザインのディレクションなどを考えている方へ。
もっと紹介したいいい本がたくさんあるのだけど、デザイン関係の本は電子化していないことが多いので今回は紹介できず。次の機会に。
ブログを始めます。
真面目な?ブログを始めます。
デザイン関係についての記事や思うことなどかける程度に。
そして日本語の練習に。
人生でブログを作り直した回数を数えたら大変なことになった。