明日はきっと日曜日

東京の会社で働く新人UX・UIデザイナー

きっと何者にもなれない私たちは

実務について2ヶ月が終わろうとしているので、最近考えていること
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マーケティングとデザイン

上流のデザイン工程で行うリサーチ〜コンセプトの立案までとマーケティングを基にしたコンセプトの立案は似ているな、とここ1年間は感じていた。(実際に、やってることを説明するとそれってマーケティングと何が違うの?と言わることもあった。)マーケティング・デザインの共通点としてあげられる点は、リサーチ〜デリバーまで行うプロセスの類似性にある。決定的に異なる点として、それぞれの最終目標が挙げられる。マーケティングの最終目標は利益の最大化である一方、デザインはユーザー及びステークホルダーの体験の最大化である。

”アカデミックなデザイン”とwebデザイン

現在主流のデザイン教育(私がうけた教育は工業デザインのためここでは主に工業デザインを示す)では、初めにデザインの対象物に対して、ターゲットユーザー定義や使用シーンの設定を行う。デザインのアウトプットを作る過程には体験価値の設定などいわゆる上流のデザインも含まれているため、意識しなくともその過程を経てその価値を理解していく。
 
一方、webデザインは体系化された分野であり、独学で勉強する人も多い。超下流の、とにかく手を動かすことからその人のデザインが始まる。数年webデザインやりました、という人がデザインとは〜みたいに語るうんちくが工業デザイン出身の人だと「そんなの学生のときに学んだわ」レベルの話になりがちである。(実際は経験を伴った知識であるので、その中身に差はもちろんあると思うが)。試行錯誤するうちに得られる経験を基に、上流の知識をつけていくことでイメージに深さが出る。(この辺はクラフトマンシップと似ている)案外いろんなもののプロセスは異なったとしても、到達点は同じである気がしている。
 
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業務の傍ら個人的に、無形且つユーザーが無料で使えるサービスに対してどのようにブランディングをおこなうか、というテーマに取り組んでいる。人間の体験の印象は、「飲食」「人との関わり」「手に取れるカタチ」が大きな要因となりうるらしい。その全てが存在しないサービスにおいては、どのように他と差別化を行うのか。どこにどのような価値を体験をどんなトーンで与えることで、ブランド醸成を行えるのか。この辺の探索をしています。
 
思うところはあれど、上司にも恵まれだいたい良好です(^o^)

昨日のことが分かってきた。明日のことは考えたくない。今日は過ぎていく

デビッド・リンチのinland empireの中に出てくる台詞らしい、かなりお気に入り。彼の作品は悪夢モチーフが多くて、わけがわからないまま過ぎていく。

彼が22歳のときに作ったこの作品、娘の悪夢からインスピレーションを得たらしい。怖すぎて間違って夜中に見てしまった日に寝れなくなった。スクショを切り取ったら、10年前の精神ブラクラと同じくらいの破壊力を持つと思う。

www.youtube.com

 

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デザインバックグランドではない同期に「UXデザインができるようになる勉強法とかないの?」 と聞かれた。うちの会社が指し示すUXデザインは、ほとんどディレクションやプランニングに近い意味を持っているので正直デザインはあんまり関係がない。そのため誰でもUXデザイナーになれる、それが本質的な意味でデザイナーかどうかは私には分からないけど。(デザイナーって名前である必要性を感じない)

 

広義のUXデザイナーって野球みたいだな、と思った。「野球をうまくなるにはどうしたらいいの?」と聞かれたら困る。”野球がうまい”は何を示してるのか、ホームランが打てる、アベレージヒッターである、めちゃくちゃ速い球がなげれる、名キャッチャーである。何を目指すかでで求められるスキルも違ってくる。全くその分野がわからない人はその何を目指したいのかもわかっていない場合が多いんじゃないかと思う。だから、どうしたらいいの?という質問には、ランニングとか素振りとか投げ込みとか、地道な練習を通して基礎スキルを身につけるのがいいんじゃないのかな?としか言えない。実際全ての応用スキルは基礎スキルを土台とするものであり取得は必要ではあると思うけど、人間の限られた時間の中ですべてを基礎から学んでいたら絶対に時間が足りない。だから選択をしなくてはいけない。野球がうまくなった先にどうなりたいのかが明確にあるのならば、アドバイスはしやすい。草野球を続けたいのか、プロ野球選手になりたいのか、監督やコーチなのか。最終的に目指しているものために得たいものであれば、多少はアドバイスできるかもしれない、できるかな。

 

壊すのは楽しい

社会人になって、週末なにしてるの?と聞かれることが多くなった。最近はもっぱらPCで何かを作ってる。でもやっぱり、何をしているのかという質問に的確に答えるのは難しい。
 
 今週は画像を壊してた。いわゆるglitch/databendingとよばれるジャンルのあれ。
グリッチアートは大まかに分けて、「⑴画像のデータそのものを壊す・改変するもの」と「⑵グリッチさせてる風に画像を加工する」2つに分かれると解釈してる。今回は前者の中から、「①画像のバイナリコードを直接改変する方法」「②画像をオーディオ編集ソフトで読み込み、エフェクトなどをかけ波形を変形させ、もう一度画像としてエクスポートする」 この2つの壊し方を選択。

①画像のバイナリコードを直接改変する方法

HexFind というアプリケーションを使用。jpegの壊れ方って独特だよね。

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 基本ルール

- headerをいじらない (画像を画像だと認識できなくなってしまう)

-Total byte sizeは変更しない、基本的は置き換え (消したり、追加したりするとバグが起きる可能性が増える)
-壊しすぎない。5%未満くらいがいい感じに壊れる
 
このtutorial動画がわかりやすい。

②画像をオーディオ編集ソフトで読み込み、エフェクトなどをかけ波形を変形させ、もう一度画像としてエクスポートする

変態技すぎて笑うんだけど、わりと主流の一つらしい。今回はAudacity というソフトを使った。波形に変形した場合も、ヘッダーをいじると画像が壊れて表示できなくなってしまうので注意。

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この辺を参考にした。
 
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壊しすぎないように細かくしすぎないように、いい感じに壊すの難しい。画像フォーマットの違いで壊れ方違うのは知ってたけど、ほんとに全然違う。

入社してから2ヶ月

社会人になって2ヶ月が経ちました。約3ヶ月間の開発研修ものこり1ヶ月を切ってしまってそわそわしてます、そわそわ。

研修もあって何かを作る機会がめっきり減ってしまったので、インスタアカウントを新しく始めました(@motionWeekender)。モーショングラフィックとかマイクロインタラクションの練習用アカウント。

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ブログも書くのもそろそろ飽きてしまったし、ブログも書くのもそろそろ飽きてしまった。

”未来を築くデザインの思想”を読了

 

未来を築くデザインの思想-ポスト人間中心デザインへ向けて読むべき24のテキスト

未来を築くデザインの思想-ポスト人間中心デザインへ向けて読むべき24のテキスト

  • 作者: ヘレン・アームストロング,久保田晃弘(監訳),村上彩
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2016/10/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

この本は、デザイナー(主に紙面とデジタル分野)がいままでに担ってきた役割を紹介するととももに、来るべきポスト人間時代におけるデザイナーの役割を、それによる社会・人間への影響を考える必要性を解いている。

 
読むのにだいぶ時間がかかったが、読み応えのある本だった。未来志向であるべきデザインの本質に触れている。

デザイン留学のお金の話(2)留学用賞与型奨学金を利用する

こんにちわ、12ikaです。
無事に修論を提出、大学院を修了し、4月から社会人となります。卒業式はや追いコンはエモい!の一言に尽きます。
 
さて、前回の記事の続きで、「⑵留学用賞与型奨学金を利用する」ことについて書こうかと思います。
▼前回の記事はこちら▼

留学用賞与型の奨学金を利用しよう!

日本の大学で奨学金を借りている人も少なくないと思うのですが、日本の奨学金は返還型が
メジャーです。この返還型は文字通り、卒業後に少しずつお金を返済していきます。しかし、留学に関する奨学金の中には多くの賞与型の奨学金が存在します。もちろん、成績など借りる為の制限はありますが、この賞与型の奨学金であれば、借金をすることがなく留学の負担を減らすことができます。
 
今回はデザイン留学をするが利用できる賞与型の奨学金をいくつか紹介しますね。
 
一番額支援額が大きいのがこのトビタテ!留学JAPAN、文科省奨学金です。
賞与型の奨学金奨学金、事前・事後研修の旅費、往復渡航費、授業料などが援助されます。
アメリカ、ヨーロッパへの留学であれば月20万円程度が支給されるそうです(後輩談)。学校や地域などで貰える額が変わります。ただし、金額が多い分、他の奨学金よりも報告会や勉強会などの回数は多め。交換留学でなくても、授業料が支援されるため金銭的に非常に助かります。奨学金をもらえるメンバーに選ばれるために何度か面接をする上、求められる基準は非常に高いものですが、かなりおすすめな奨学金制度です。 
 

海外留学奨学金(日本学生支援機構)

私が使っていたのはこの制度です。賞与型奨学金は留学する地域によって受け取れる金額が変わります。パリ・ニューヨークは月10万円、その他ヨーロッパ都市は大体8万円、アジアであればもう少し下がるのかな。返還型もあり、こちらの方が比較的通りやすいのかなと思います。トビタテに比べると金額も少ないですが、レポート等も少ないです。 
 

公益信託ヤマハ発動機国際友好基金  海外派遣日本人奨学生

月10万円の支援がされるそうです。採用が全国で5名程度のため、審査など他のものと比べて少し厳しめです。こちらは留学時に大学院生であることが条件とされている奨学金です。大学の推薦をもらい応募する必要があり、推薦枠は各大学2人まで。学校ごとの応募のため、学校の留学科などに募集要項があると思います。
 

業務用スーパー ジャパンドリーム奨学金

おそらく意外と穴場な奨学金。支援額は月15万。トビタテよりはレポート等少ないそうですが、詳しくはわかりません。募集人数も210名と多めです。条件のなかに、語学研修目的の留学ではないことが明記されているので、デザイン留学の場合は問題ないと思います。 
 

デザイン留学へ行こう

学校の交換留学制度、留学用賞与型の奨学金の利用でかなり留学費用を抑えることができます。デザインは他の分野とは違い、学会の発表回数などで実績を測ることは難しいため、奨学金を取ることは難しいと感じることが多々ありました。今回紹介した奨学金は、実際デザイン留学をした他の学生が使っていた奨学金なので、今デザイン留学を考えている人たちにも十分にチャンスがあります。もしお金の面で留学に行くか迷っている人がいれば、その悩みを打開するためのヒントになればと思います。
 

 <おまけ>

海外でデザインを仕事にする

海外でデザインを仕事にする

  • 作者: 岡田栄造,鈴木元,森山茜,青木翔平,福定良佑,村上あずさ,?島泰,今村ひかる,長田喜晃,青木慶一,小林耕太,山本尚明,中山雄太,清水花笑,川島高
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2017/01/25
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 この本は海外で働いた・働いている人たちが書いた本で、留学とはまた違いますが、デザイナーとして海外勤務 を視野に入れてる人にはとてもモチベーションがあがる一冊です。2017年に発売された本なのですが、留学前に読めたらよかったなと思い紹介。

デザイン留学のお金の話(1) 学校の交換留学制度を利用する

私は、大学のプログラムでヨーロッパの美大とデザイン学校に半年ずつ留学していました。
留学を決断する際に、意思は固かったのですが浪人をしていた手前、親に申し訳なくてなかなか話を切り出せませんでした。しかも、周りの留学をした子達は、実家が裕福で両親が「留学?いい経験になるから行ってらっしゃい!お金ならいくらでもだすよ!」みたいな子が多く、お金の心配をしていえるのは少数派でした。
 
「休学すると一年間余分に学費払わなきゃいけないし、留学先の授業料高すぎるしどうしよう」と悩みは尽きませんでした。
 
最終的には、大学と国からの奨学金に額を負担してもらい、親の支援もあって一年間留学に行くことができました。もりもり働いて税金かえすぞ〜!
 
現在、デザイン系大学または美大に通っていて、留学に行くかどうかを金銭面で迷っている人がいるならば、
⑴学校の交換留学制度を利用する
⑵留学用賞与型奨学金を利用する
ことでかなりの留学費用を抑えることができるのでおすすめです。
 
まず今回は「(1)学校の交換留学制度を利用する」について書きたいと思います。
 
学校の交換留学制度を利用して留学するとかなり費用を抑えることができます。
一年間の留学(実際は10ヶ月)でどれくらいのお金がかかったのか、<授業料> <生活費>の二つの項目から見ていこうかと思います。
 
 

留学以前

<授業料>

国立大学に通っているため、授業料は年間535,800円。親に支援してもらっていました。
 

<生活費>

もともと私は大学入学と同時に実家を出て、一人暮らしをしていました。
 
主な一ヶ月の収入は、
親からの仕送り(家賃を含む)100,000円+奨学金(返還型)30,000円+アルバイト約20,000円
=合計150,000円
 
今考えると、旅行などの貯金以外は毎月お金を使いきってた気がします。課題の材料印刷代飲み会etcとお金は飛んでいくばかり。美大生・デザイン学生は課題に追われていてあまり長時間バイトに入れない人も多いかと思います。私自身も学部の3年生までは時間もキャパシティもほとんど足りなくて、少ない空いた数時間で働き、一ヶ月2万円弱程度のアルバイトと、たまにお金が本当にピンチのときに派遣で日雇いのバイトをしていました。今考えると、バイトを高時給の職場に変えればよかったな私…。
 

留学中

<授業料>

私の参加した留学のプログラムは、交換留学のプログラムでした。
 
交換留学なので籍が完全に自分の大学にあるため、留学先の学校の授業料を払う必要はなく、留学中も自分の大学に授業料を収めていました。国立大学に通って行ったのでこの授業料を自分の大学に払うスタイルが本当にありがたかった…!
 
ということで、1年分で自分の収めた授業料は留学前と変わらず年間535,800
 
これは、ヨーロッパ諸国に留学する場合、私費留学にかかる費用と比べてべらぼうに安いです。 
なぜなら、ヨーロッパ美大の学費が恐ろしく高い。
 
サンプル留学先1:イギリスの美大の授業料を比較。
 
通っていた大学はイギリス・スコットランドにあるThe Glasgow School of Artという美大です。
卒業生デザイナーとしてはレニーマッキントッシュが超有名。 
 
私費留学生の授業料
(1年間)£13,800=約1,937,907円
(1セメスター)£6,900=約968,953円
 
私費留学生として1年大学に通っていたとしたら約200万円、一方日本の国立大学の半年の学費は約54万。もし200万円払う必要があったら留学したいなんて思いもしなかったかもしれません。もちろん、どんな大学と提携しているか・そこの授業料を払う形態はどうなっているのかは大学によって違うので確認しましょう。
 
また、留学費用とは直接関係ないのですが、ヨーロッパの大学は、留学生ではない普通の学生であっても、ヨーロッパ圏内に国籍を持つ学生とそれ以外の国籍を持つ学生で学費が違うことが多いです。
Glasgow School of Artの場合
国籍がスコットランドまたはEU £1,820=約255,579円
国籍がスコットランド以外のEU   £9,250=約1,298,959円
 それ以外の国籍 £15,240=約2,140,123円
 
他のヨーロッパの国と比べても比較的イギリスの学費は高めなので、同じ時期にGlasgow School of Artプロダクトデザイン学科に通っていたEU圏内留学生達も、ERASMUS*1やMEDes*2などの留学制度を使って留学していました。
ちなみに、有名なロンドンのRCA(Royal College of Art)の院生・非EU学生の授業料は年間400万。 社会人経験者想定ですね、おそらく。

<生活費>

その2で詳しく奨学金の話を詳しく述べる予定ですが、留学中は、通常の返還型の奨学金のほか、日本学生支援機構の賞与型奨学金8万円を受けていました。

 
主な一ヶ月の収入は、
親からの仕送り(家賃を含む)100,000円+奨学金(賞与型)80,000円+奨学金(返還型)30,000円
=合計180,000円
 
家賃はほぼ大学付近での一人暮らしの家賃と変わらず、両親からは留学前と同様100,000円の仕送りを受けていました。留学中はバイトをする必要がなく(というかビザの関係上就労は不可)、課題に打ち込めて楽しかった。語学力が追いつかず、英語の勉強も並行していたのですが、バイトをして時間を浪費することの何倍も楽しかったな〜。

<留学課に相談しよう>

私の留学プログラムは、休学せずに単位交換によって年次を進むことができるという変わった制度でした。そのため、大学を休学する必要もなく、休学している間の学費を払う必要もありませんでした。この制度が親に説得するためのポイントの一つになりました。最初留学したいと伝えた際に、「あんた7年も大学行くの…」と絶望されましたが、この制度が大きな説得力となりました。
 
もしかしたら同じ制度はないかもしれませんが、学校の留学課などに相談すると意外と親身になっていろいろ教えてくれますよ。金銭的な負担を軽くできるような方法もおしえてくれると思います。大学には、あまり多くの人が知らないお得情報が多すぎる。 

まとめ

<生活費> 
学校の交換留学制度を利用することで留学費用を大幅に抑えることができます。
授業料・生活費は日本の大学に通っていた場合とほぼ変わりません。
自分で負担しなければならない留学費用としては、航空券代・引っ越し代のみなので、かなり安く留学が出来ます。
 
現在デザイン系の大学に通っていてデザイン留学を考えている人は
学校の交換留学制度を利用することで金銭的負担をかなり軽減できますよ、という話でした。
次回は奨学金について書こうと思います。
 
続編はこちら▼
 
 

*1:EUにおける学生の流動化推進を目指す留学プログラム

*2:MEDes - Master of European Design 欧州の7つのデザイン学校間での交換留学制度。