秋の池畔にて(入社1年と8ヶ月目)
旅先でも、日常でも、一人でぼんやりと水面を眺めているのが好きだ。ハンブルクの早朝の港、館山の静かな海岸、平和島の海浜公園、東京の都心にある池。11月の昼下がりは日が落ちるのも早い。普段、都心でコンクリートに囲まれて忙しく日々を消費していると、季節を肌で感じる瞬間が少なくなる。
クオリティを高く作り込むことに価値があるwebサービスとは
0→1の段階でサービスを立ち上げるとき、見た目のデザインはおざなりにされることが多いが、それはUIデザイナーとして働く自分ですらある程度までは妥当だと思っていている。初期フェーズでは、サービス全体の大まかなUXを阻害しないレベルでデザインクオリティを担保しつつ、ピボットを前提としたサービスの検証を勧めていくほうが、細かい文言をじっくり検討したりデザインを1px単位のクオリティを求めるよりもROIが高い。
それでもやっぱり私はデザイナーなので、自分のできる限りで細かい体験もVDもクオリティをあげきりたいと思うこともある。ただおそらく、WEBサービスでつくるもののクオリティを妥協しないためには、クオリティをたかく作り込むことに価値があるドメインやビジネスモデルを探す必要があると思う。
- すでにコモデティ化してしまった領域において、他とデザインで差別化することを目的にしたプロダクト
- プラットフォームのクオリティが高いことがサービス内のコンテンツの充実につながるプロダクト。(たとえばbehanceやdribbbleなどのデザイナーやアート系のプラットフォームのように、サイト自体のクオリティがダサいとデザイナーやアーティストは作品を積極的にあげてくれない)
このあたりかと思っていますが、何かヒントが有る人ください。ライフワークとして、じっくりゆっくりとと質を醸成していくようなサービスも作りたい。webである必要もないけど。
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サービスに対する愛はどのように生まれるのか?
ユーザーが、サービスを通して生まれた経験をサービスそのものに結びつけて、サービスに愛着を持てるようなサービス設計をするのは難しい。特にWEBサイトに関してはどう愛着が生まれるのか?を考え続けているが、いま考えている愛着をもたせる方法として4つの仮説がある。
①オンライン上のwebサービスであること自体に価値があるもの。オンライン上での体験をエンハンスするもの。
オンライン上でのコミュニティ系SNS twitterや特定の趣味・職業・趣向の人たちが匿名で集うオンラインフォームなど、制作したものを発信できるようなプラットフォームnoteなど
補足:オンラインでの情報交換そのものに価値を感じると、場所としてのサービスに愛着が生まれる?
②サービスを通してリアルな体験が生まれる場合、プロダクト上のCVとサービスの提供するメインのユーザー体験の時間が短いこと。
食事や旅行などの予約サイト、ECサイトなど
補足:web上でのサービスの使用期間と、メインの体験の期間が空きすぎてしまうと、サービス価値と体験の関連性を感じにくくなる。
③サービスの人格としてリアルな人間が介在すること。
人材系会社のキャリアアドバイザーさん、カスタマーセンターの電話やメール対応、サービスカウンターなど
補足:〇〇(サービス)の人が丁寧な対応をしてくれた・横暴な態度を取られたなど、ユーザーが直接に関わった人間がそのサービスの人格として捉えられる。
④有料プロダクト
サービスに課金した場合。
補足:人間はお金を払ったものに関して価値を感じようとする心理
つまり愛着が湧きにくいサービスはこの逆で、オンラインであることに価値がない・サービス上での体験とリアルの体験の期間が離れている・サービスの人格としてリアルな人間が介在しない・無料のプロダクト。
ということを思う、この頃。まあまあ元気です。
灼熱の東京でアイスコーヒーを飲む(入社1年と3ヶ月目)
入社して1年が過ぎました
デザインルールの制限と更新性
デザイナーのヒューマンスキル
名前を与えることで意味が生まれる
自分をもっと信じても良い
理由が無いわけではなく、理由を分解できていないものはたくさんあるが、嫌いなものは嫌なままで良いと思った。無理に人に合わせる必要はない。好きなものは好きで良い。
誰かがいいね!と思ったものをいいね!それいいね!すごいね!ってつくっていける社会になって欲しいと思った、社会人一年目の終わりです。

デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール(MarkeZine BOOKS)
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わたしが想うおまえだけ、おまえだけがわたしに見えない(入社11ヶ月目)
美しさと自然の関係性
初めて海外に行った時、街中の景色の違いに驚いた。実際に生活をしてみて、美意識のちがいを感じることが多々あった。それからゆるーく”西洋の美しさ” ”東洋の美しさ”の概念の違いは何から生まれたものだろうか?と問い続けている。
「身長の高さ・顔の彫り深さのような人間の身体的な特徴や街中の建築物などの、人間が歳をかさねるなかでは”毎日生活の中で目にするもの”がなんとなく疑問のヒントになっているような気がしている」という話を会社の先輩にポロッとした時に
「きっと美しさは自然環境につながってるんだね」とコメントを貰った。
一般的には、自然環境への適応の結果が人間の体格差・容姿・顔の形の違いだと言われているらしい。建築も俯瞰していると、日本の建築と西洋の建築の違いを生み出す大きな原因の一つは地震の有無だと思っている。
全ての原点は自然にあると言ってしまえば、私達が生物として存在している限りそうなんだろうけど、もう少し分解したくなった。
ということで、「自然」「美」などのキーワードでつながる本の手始めとして読んだ本。自然の形と人工物の形を体系を見直しながら、形の美とはなにか?を紐解いている本。
以下はネタバレ(?)というか本の要約です。
自然の形は美しさの原点
私たち人間は自然の造形をモチーフとして紋様化し、装飾美術を作り上げ、世界各地でそれぞれの時代の様式美を作り上げてきた。自然の形=美しさの原点であり、その造形特徴は次の4点である。
- 自然の法則、造形の秩序に準拠した機能の形である
- 形状がなめらかで無駄がなく有機的形体(オーガニック形体)である
- フラクタル性の形では、自己相似性による黄金比の持つ美しさを形体している
- セルオートマトンによるリズミカルなパターンが見られる(貝類や動物や模様)
日本の美も西洋の美も、同じルーツ原点(=自然の形)
日本の美=非定型・非対称の自然の美
ジャポニズムの造形原理は日本人の自然主義に根ざす美意識の視覚言語である。日本人は古来、美の究極は自然にあり自然と一体となり融合することが最高の美であると信じていた。精神性の美術表現は抽象性を高め、遠近法を無視した平面的装飾的表現を推し進め表現による、飛躍や誇張を高めたのである・
西洋の美 美の規範=対称性や黄金分割などの絶対美
ギリシャ時代以降ユークリッド幾何学の合理的で科学思想優先の西欧文化では、幾何学的形態や黄金比と対称性の数理的規範への傾斜が当然の帰結であり、美の原理もこの思想下にあると考えられていた。
著書のなかで、複雑な形・出鱈目な形といわれてきた自然系の非定型の形の中にも、フラクタルな一定の秩序があり、それらた黄金比と密接な関係があることが述べられている。複雑な日本の黄金比と西洋の黄金比が非常に近いものであるらしい。
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東洋も西洋も自然の形という同じルーツ原点を持つが、思想の違いによってその捉え方が異なっていたという話だった。グローバル化が進んでいき、美しさの基準はどうなっていくんだろう?
あんまりデザインの歴史などの教養は人並みくらいにはあるけど、美術はわりと無縁なのでもうちょっと勉強したいなと思いながら時間が足りずいつも後回しになってしまう…。次は、別の人にすすめられた和辻哲郎読みます。
タイポフェイス基礎知識_欧文フォント・セリフ体について
みなさん、フォントを雰囲気で選んでませんか?
私も今まであまりフォントに興味がなく、最低限の知識だけでどうにかしていましたが
そろそろ必要になってきたので基礎から勉強しています。
といっても専門の職種があるくらいとても深い分野なので、さわり程度ですが。
今回はセリフ体の代表的な4種類のまとめ。
Old Style
代表フォント
Garamond / Caslon / Century Oldstyle など
特徴
- セリフ*部分がブラケット(三角形っぽい形)
- ストレス(曲線の細い部分を結んだ線)が斜め
- 縦線と横線の太さの差が穏やか
Modern
代表フォント
Bodoni / Computer Modern / Didot など
特徴
- セリフ部分がヘアライン(細い直線で水平)
- 縦線は横線の太さの差が極端
Traditional
代表フォント
Baskerville / Times New Roman / Century など
特徴
- セリフ部分が三角形っぽい
- Old StyleとModernの中間的な造形
- Old Styleに比べてセリフ部分が直線的
Slab serif
代表フォント
Claredon / Cario / New Century Schoolbook など
特徴
- セリフの部分が太め
- 縦線と横線の太さがほぼおなじ
次回はサンセリフまとめです。 ちなみに今回はマークダウンで書いてみました。